6.05.2012

故郷

1983年、福岡県北九州市で産声をあげたのも束の間、
大病院に移り、私はその場所で数ヶ月を過ごした。

病名は乳児性下痢症というもので、血便などの症状が出ていたらしい。
家族は、外から中にいる子の様子を見るしかなかったそうだ。
そのため、私は看護婦さんになつき始めていたらしい(母嫉妬 笑)。

生まれて早く、病気をしてしまったこともあり、また夏生まれということもあり、

麻のように丈夫で、心が美しい子に育つよう、 麻美(まみ) と名付けられた。

*
生まれたのは北九州だけれども、
小学校2年生までは佐賀で育った。
そして、小学校3年生にあがる時、北九州に引っ越してきた。


製鉄の街の面影を残すこの街を、最初は好きになれなかった。
のどかで、静かで、空気も綺麗な佐賀とは違って、

工場からの煙や、車の排気ガス、家が国道沿いだったので車の音とか...

そして、夜中は暴走族の「愛のテーマ(ゴッドファーザー)」が流れたり (笑)



人は血の気が多く、暴力団が多くて、発砲事件なんかも起きて...

何だココは!(苦笑)


まぁ幸い、私は何にも関与しなかった。





高校の時に地元のアーケードを通っていて、ゲームセンターの前にタムロしているヤンキーの横を通ったら...

一人が近づいてきたので、ギョッとしていたら...

『あ!お久しぶりです! ◯◯の弟です!』

ということはあった。

「あ! 大きくなったね!」

と言って別れた。 



平和だ (笑)

*

不思議なもので、今は好きなのだ。

北九州市が。

なんというか、古臭さがあったりして。


折尾駅ホーム
大好きなパン屋さん
そして文化施設も整っている。
北九州市立美術館
今になって思えば、もっともっとこの場所に足を運べば良かった。

高校はすぐ近くにあったというのに!!!


北九州市に引っ越してきて、最初の方に母と兄と三人で北九州市立美術館界隈に遊びに行ったことがある。
桜が有名なのだ。

当時はまだ珍しかった打ちっぱなしの建物をみて、 へ〜... カッコイイなぁ... 

とだけ思った。

大人の味 という感じでよくわからないけれど、とても惹かれた。

北九州市立中央図書館は、
北九州市立美術館と同様に 磯崎新氏 が設計したものだ。



シンプルで、格好良い。


*

福岡大の卒業アルバムより

福岡大の卒業アルバムより

福岡大の卒業アルバムより

実家に帰ると、兄の結婚式の準備で掘り返された写真の山があった。

その中に、父の大学の卒業アルバムがあった。

父は福岡大の薬学出身なのだけれど、その卒業アルバムったら、格好良すぎて驚いた。



これぞアルバム!
ただスナップ写真を載せまくっている最近の卒業アルバムとは違って、

芸術性が高くて、とにかくカッコイイ!!



あぁ いいなぁ!!! 

と、ずっと眺めていた。




*
実家に3週間くらい滞在したのは、高校卒業以来始めてで、
もうそんなことないと思っていたけれど...

居心地が良かった。


近くには文化施設が整っていて、
少し足を伸ばせば、買い物も十分に楽しめる。

ベランダからは、原風景といえるような工場の姿も。

そして、家は(今より)広くてそうじのやり甲斐があり、

おばあちゃんちに行けば習字だって習えるかも。


たまの、ケミカル臭や光化学スモッグは、非常に非常に 嫌だけど...








でも、やっぱりココに帰ってくるかも。

と思ったこないだの帰省だった。

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